top of page

Chapter 10. 境界を超える、食の愉しみ - Pairing -

思考の記録:信州のワインと地酒。酒を呼ぶ「パンチ」の必然
「遥 -haruka-」を一口食べて、「しょっぱい!」と感じたなら、それは私たちが目指した正解に辿り着いた証拠です。

中途半端な「塩スイーツ」にするつもりはありませんでした。
甘みの奥に、熟成味噌が持つ本来の塩気と発酵の力強さを、あえて鮮烈な「パンチ」として残す。
ここでも、味を調えるための食塩は一粒も加えていません。
百五十年の歳月が醸した味噌の純粋な塩分だけで、このエッジを立たせています。

その力強い輪郭があるからこそ、この一品は菓子の枠を超え、信州のワインや地酒と響き合う「大人の嗜好品」へと昇華されました。

信州の冷涼な気候が育んだ、酸の美しい白ワイン。
果実味の凝縮された赤ワイン。
そして、米の旨味が活きた純米酒や、琥珀色の熟成日本酒。
それらと真っ向からぶつかり、互いの輪郭を際立たせる。

お茶やコーヒーの「お供」で終わるのではなく、酒を呼び、夜の静寂(しじま)を深く愉しむための一片。
この贅沢なペアリングこそが、私たちが目指した「再編集」の終着点です。

bottom of page